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B管チューバの最高峰!マイネルウェストン社B管チューバ197 ヒルガースモデル【徹底解説】

投稿日:12/02/2020 更新日:


みなさん、こんばんは!

このブログをご覧になられている方はチューバが大好きな方達や将来好きになるであろうサラブレッドな人たちだと思います。

チューバの歴史はまだまだ他の楽器に比べると浅く、楽器自体まだ発展途上と言えるでしょう。


 

Meinl Weston B-Tuba 197 W. Hilgers Modell 
マイネルウェストン B管チューバ ヴァルターヒルガースモデル


B管チューバ吹きにとって憧れの存在であり、ドイツの主要なオーケストラで演奏するチューバ奏者が愛用する定番とも言えるこの楽器。

北ドイツ放送響、ウィーンフィル、ジャーマンブラスで活躍し、現在はワイマール音大室内楽・チューバ科教授を勤めつつ、指揮者としても活動しているWalter Hilgers ヴァルターヒルガース氏が監修したモデルです。

 

ウィーンフィルハーモニー管弦楽団時代の写真より



ヴァルターヒルガースについて


この楽器について調べて来られた方には説明する必要ないと思いますが、あまり知らない方のためにも書いていきます。

 


Walter Hilgers ヴァルターヒルガースホームページ

1959年ドイツ・シュトルベルク生まれのドイツ人チューバ奏者。
ラインラント州立アーヘン音楽大学で勉強し、弱冠19才にしてデュッセルドルフ交響楽団に入団。その後ハンブルグフィルハーモニー国立管弦楽団・北ドイツ放送響(現在北ドイツエルプフィルハーモニー放送響)・ウィーン国立歌劇場/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のチューバ奏者を務める。1979年バイロイト音楽祭に出演し、ベルリンフィルをはじめ、数多くのオーケストラで客演。1979年から2007年までジャーマンブラスのメンバーとして活動し、演奏活動の傍、1989-1995年ハンブルグ音楽演劇大学教授を勤め、1995年から現在ドイツ国立ワイマールリスト音楽大学室内楽・チューバ科教授。
チューバ奏者としての活動はほぼなく、現在は指揮者としてPaul Constantinescu“ Philharmonie Ploieşti(客演指揮者)、Sinfonieorchesters der Provinz Santa Fe(首席指揮者)活動中。

Walter HIlgers Homepage




ヒルガースモデル スペックについて



マイネルウェストンホームページ 197/2
Meinl Weston B-Tuba 197/2

マイネルウェストン197/2ホームページより



197/2はドイツ伝統のカイザーチューバで大きめの5/4サイズで、ベルは伝統的なスタイル、ハンドメイドで作られいます。


調性:B 

ボア:21,50mm

ベル:42cm / 46cm

高さ:114cm

サイズ:5/4

 

197/2




これがマイネルウェストン社のショールームにある197/2




Bohland und Fuchs ボーラント・ウント・フックス



ヒルガースモデルを語る上でかかせないのがこの名前。

Bohalnd und Fuchs Graslitz

 

1870年金管楽器の聖地・楽器製作の聖地となっているドイツ・マルクノイキルヒェン横のグラースリツ(当時ドイツ、現在はチェコ・クラスリツェ)に設立され、金管楽器・サックスなどを作製し当時500人以上の楽器製作会社。


第二次世界対戦後、1945年にアマティに吸収され、現在は存在しません。
その後、アマティ社がこのモデルのコピーとしてAmati B&FモデルやLignatone(リグナトーン)を作っていたりします。


ヒルガース氏がベルリンフィルに客演した際、楽器倉庫に眠っていたこの会社のカイザーチューバを吹き、気に入り買い取ったものを改造し、このボーラントウントフックス(以下B&F省略)を元に作られたのが今の197/2です。


オリジナルの楽器は元々46cmベルを持っていましたが、改造され42cmベルになりました。なので現在46cmベルを持つ197と42cmベルを持つ197が存在します。ほとんどの方が持っている197は42cmベルだと思います。


彼が2007年演奏活動を辞める際、現ベルリンフィルチューバ奏者アレキサンダー・フォン・プットカマー氏が購入し、現在この楽器はまたベルリンフィルに戻っています。

このB&F社のチューバは1945年までしか作られなかったため、現存するオリジナルのチューバが少ないため、ドイツ、ヨーロッパや世界で売りに出された際はすぐに買われてしまいます。

全てハンドメイドで作られており、これぞカイザーチューバという形・音で多くのファンも多く、べルリンでも大人気で有名奏者がこぞって持っています。

(私の師匠であるお二人、ベルリン国立歌劇場チューバ奏者Thomas Kellerやベルリンコーミッシェ歌劇場チューバ奏者Sebastian Wagemanも所有者です、というよりマニアです。笑)


そんな私もB&F社製チューバの持ち主です(笑)



正確に作られた年代はわからず、B&Fにとても詳しいマイスターに見てもらったところ1913-15年代に作られた可能性が高いとのことでした。


私が所有するB&F、親指リングと楽譜を止めるための部品をとった後。

左が197/2、右がB&F(改造済みの個体)



ボーラントウントフックスについて書きましたのでぜひご覧ください。



このモデルを愛用している有名チューバ奏者たち



数多くのB管チューバが発売されていますが、この197はその中でも最高峰、決定版と言えるB管チューバではないでしょうか!

その証拠に現在トップオーケストラと呼ばれるプロオーケストラ奏者が愛用しています。


全てはかけませんが、主なチューバ奏者を掲載していきたいと思います。

・Alexander von Puttkamer (ベルリンフィルハーモニー管弦楽団)

・Stefan Ambrosius (バイエルン国立歌劇場・ジャーマンブラス)

・Steffen Schmidt (バイエルン国立歌劇場)

・Stefan Tischler (バイエルン放送響)

・Sebastian Wagemann (ベルリン・コーミッシェ歌劇場)

・Stefan Heimann (前シュトゥットガルト歌劇場、シュトゥットガルト音大・マンハイム音大教授)

・Ross Knight (スイスロマンド管弦楽団)

・Siegfried Jung (マンハイム国立歌劇場)

などなど他にもここには書ききれないくらい使っている奏者がいます…ドイツには本当にたくさんの歌劇場・オーケストラがあるので、一度全てのチューバ奏者にどの楽器を使っているか聞いて見たいですね←笑

途方もないくらいの時間がかかりそうですが…

上に書いたようにみなさんが普段CDやDVDで見る・聴く主要なドイツのオケでこの楽器の音を聴くことができます。



この記事をみたあと、気になった方はぜひチューバの音に耳を澄まして見てください!

それでは、Tschüß!!

 

-Tuba
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執筆者:


  1. 古田 義久 より:

    こんにちは、情報楽しく拝見させていただきました。私のチューバは2年前オークションで、単純に「かっこいい」と思の思いで購入してしまいました。メーカー名は「RICHARD」と言うメーカーで、28万円で購入いたしました。数多くの凹みにつけ、ペダルの1番3番の戻り不可、2番管固着、等多々問題は有りましたが、錆は全体の10%位でした。楽器修理店に持ち込み修理を依頼しました。購入経緯と価格を言った処、「そんな価格では買えない」と言われ、メーカー名は「リヒャルト」、チェコの会社で40年ほど前に無くなったと教えてくださいました。それ以外は判らないとの事です。また、ヨークシャーチューバを所有しているプロの方と知り合いになり、聞いた処、価格に関しやはり同様の事を言われました。形状はマイネルウエストン197-2と同バランス形状で寸法は1,150mm、ベルサイズφ45.5です。この会社についてネットで調べても全くヒットしません。このチューバが何年製位で、どの様な経緯を持って今に至ったのか、物凄く興味が有ります。少しでも良いので、情報ございませんでしょうか? 因みに音色はpp~ffに於いて、ふくやかにも華やかにも鳴らす事ができます。写真も見ていただければ幸いです。

    • Takuyablog より:

      こんにちは、ブログご覧いただきありがとうございます!
      Richardは、チェルベニー/アマティの海外ラインの楽器で4,50年前まで製造されていたと聞いています、ドイツでは全くみたことないのですが、日本の方でお持ちの方を他にも聞いたことがあります。スペインでは、Rott(ロット)として有名です。他にもB&Fを受け持ったアマティ社はその設計図を使ってAmati B&Fモデル制作したり、Lignatoneという上級モデル扱いのメーカーもあり、数多くの楽器を製作していますが、もとは同じです。(現在の中国工場製の楽器みたいな感じです、OEMというのでしょうか…。)
      約1960年くらいまでたくさんのドイツ・チェコメーカーが197のようなカイザーチューバを製作していたのですが、ほとんど廃業したり吸収されてしまっています。

      価格についてですが、日本のオークションでしょうか?
      ドイツでも中古チューバがEbayで出ていますが、20万円前後で状態多少悪いものも購入できます、チェルベニー・カイザーBチューバも30万円前後で見つかりますので、古田さんRichardの写真をみないと分かりませんが状態によれば逆に高いと私は感じますが、残念ながら日本ではしょうがないと思います。
      個人的にメールさせていただいても宜しいでしょうか?(もしくはTwitterお持ちでしたら、DMで写真を送付いただけると嬉しいです。)

  2. 古田 義久 より:

    情報お返事をいただきありがとうございます。感激です。
    日本でのオークションです。
    このチューバの経緯がどんなだったのか、ロマンスを感じます。
    アドレスを記載いたしました。
    写真をお送りさせていただきますので、ご連絡をください。
    ご意見をいただければ幸いです。

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チューバ奏者 岸本拓也


          岸本拓也 / Takuya Kishimoto

日本の音大卒業後→ドイツ留学・ベルリン国立ハンスアイスラー音大大学院卒→フリーランス。ドイツビール大好き。

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