みなさん、おはようございます!
週末どのようの過ごされたでしょうか、今日は月曜日だったので新たな1週間の始まりでしたね…
前回給料泥棒シリーズとして書きましたドヴォルザーク作曲の交響曲9番新世界。
チューバという楽器は、大活躍する曲もあれば、このように嫌がらせのような曲もしばしば…
まだ楽器の歴史として200年とかなり若い分類に入るチューバは、色々な作曲家が自分の曲にどように使えるのだろうか試行錯誤してきました。
ちなみにチューバを初めて取り入れたのはベルリオーズだと言われており、パリ万博で初めてお披露目となったチューバに一目惚れしたのか元々違う楽器で書いていた幻想交響曲をチューバに書き換えました。
今回は、チューバ奏者のメインとなるかもしれない仕事の話を書いていきます。
目次
待つのも仕事のうち…
チューバをやったことある方ならこの言葉に共感していただけると思います。
ドボルザーク9番の記事を見て、チューバってそんなに暇なの?と思われた方もいるかもしれません。
14音吹いた後、3,4楽章は曲が終わるまで待っていなければなりません、さすがに吹くところが終わったからといって舞台から降りるわけにはいきません。
オペラを演奏する際、歌劇場では演奏会形式以外はグラーベン(ドイツ語でお墓)・オーケストラピットでオーケストラが演奏します。
オーケストラピットにいると規模にもよりますが、チューバがお客さんから見えないこともあります。
さてさて、オペラ編の本題、オペラのチューバはどんな感じなのでしょうか?
そんな方々にチューバのさらなる魅力について語っていきましょう(笑)
例:マスカーニ作曲イリス チンバッソパート
この楽譜は私が今仕事で吹いているマスカーニ作曲の日本をテーマにした「イリス」という曲のチンバッソ譜面の一部です…
この2幕のこのページだけで30分以上の長さがあるのですが、吹く合計の時間は1分も満たないのです…笑
弦楽器の楽譜と比べたらどうなるのか…
例:マスカーニ作曲イリス バイオリンパート
確認して見たら、チンバッソは一枚しか楽譜がないですが、バイオリンは20枚以上ありました…笑
同じ長さなのに全然違いますね。
弦楽器奏者が一生懸命弾いている間、一生懸命待つ仕事をしています…
100小節休みというのは普通で、チンバッソの譜面を見ていただいたらわかるのですが、15番が吹き終わると41番まで出番がなく、楽譜には休符や小節も書いてあらず、 「TACET」と書かれているだけです。
楽譜が無いので合図となる言葉や楽器をメモすることもしばしばです。
歌劇場で勤めているチューバ奏者の楽器人生半分くらい待つことといっても過言ではないかもしれませんね。
例:ワーグナー作曲ラインの黄金
先ほどのイリスはあまり有名では無いオペラ曲で偶然私が演奏していたので例としてあげました。
次はオペラの最高傑作の一つといってもいいワーグナー作曲ニーベルングの指輪から「ラインの黄金」を見てみましょう!
コントラバスチューバの楽譜の一部です。
全然休みがない、この人は嘘をいっている!!と思われた方、よーーく楽譜を見てください。
真ん中の方に書かれている小さい楽譜の始まりの部分の上に違う楽器の表記が小さくあります。これはガイドというもので実際に吹くわけではなく、ここの部分はこんなメロディ・楽器が演奏してますよ!という注意書きなのです。Y
この楽譜だけで100小節以上は休みです…
この楽譜もコントラバスチューバの一部です。
合計で200小節ほど休みですね。
待つことが仕事のうちという言葉の意味が理解できたと思います。
ただ、チューバという楽器は重要どころで使われたり、金管楽器・オーケストラを支える役割もあるので、待つ時間は多いですが、役割もそれ以上に重要なのです!!
そんな待つことだらけのチューバですが、とても魅力的な楽器ですのでぜひ演奏会で注目してみてください。
決して寝てるかどうかチェックはやめてくださいね!笑
それでは、Tschüß!!!!