Tuba

ほぼイタリアオペラでしか使われない「チンバッソ」ってなに?

投稿日:02/03/2020 更新日:


みなさん、こんばんは!

今日は世界的有名ソプラノ歌手アンナ・ネトレプコとの演奏会があり、更新が遅れました…

昨日でこの「Takuyatubablog」閲覧回数3000回数を超えました。
いつもご覧になってくださる方々本当にありがとうございます。

少しでも有能な情報を提供し、チューバライフが豊かになることを願ってます…

さてさて、今回はイタリアオペラで使われる「チンバッソ」について書きます。


コンツェルトハウスベルリンにて



目次

チンバッソってなに…



Cimbasso「チンバッソ」
をみなさん聴いたり、吹いたりしたことありますか?

普段はなかなか見ない楽器ですが、イタリアオペラにとってはチューバより重要な楽器です。

この楽器が初めて登場したのは、ベッリーニ作曲「ノルマ」とヴェルディのオペラです。

Cimbassoという表記ではなく、Trombone  BassoやCorno in bassoという名前で書かれています。


イタリアオペラで、3本トロンボーンとトロンボーンバスと書かれていた場合、トロンボーンバスは、バストロンボーンではなくチンバッソをさしています。


見た目はトロンボーンにロータリーがついていて、音域はF管チューバと同等、チューバ奏者が吹くものです。楽器によれば、トロンボーン奏者が吹く場合もあります。


音は、トロンボーンよりで明るくはっきりとしています。


ベルリンフィルハーモニーにて



なぜチンバッソじゃないといけないの?



今日全曲ではなく、小品で演奏する際、楽譜出版社によってはイタリアオペラでもチューバと書かれている場合があります。


なぜイタリアではチンバッソが使われていたかというと、ワーグナーの存在が大きいのです。


ヴェルディなどが生きていた時代、ドイツではワーグナーによる巨大化した楽劇が流行っており、大編成でなおかつ、チューバもコントラバスチューバを多様していました。


イタリアでは、ヴェルディやプッチーニが活躍しており、特にヴェルディはワーグナーのよる大きな編成で大きなサウンドが好きではなかったらしく、反対のサウンドを求めてチンバッソを使ったと言われています。


なのでチンバッソに割り振られた音域もワーグナーみたいな低音域をたくさん使うものではなく、比較的中音域が多用されており、バストロンボーンの延長戦上という考えだったのだと思います。



チンバッソの音を聴いて見ましょう!













聴いていただいたらわかるようにチューバのような音ですが、トロンボーンよりということがわかると思います。

なかなか普段使う機会はないと思いますが、ぜひイタリアオペラをやる際は使ってみてください。


それでは、Tschüß!

-Tuba
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          岸本拓也 / Takuya Kishimoto

ドイツの首都ベルリン在住。
日本の音大を卒業後、ドイツの音大で研鑽を積み、現在ジャーマンフィルムオーケストラ・バーベルスベルク首席テューバ奏者。

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