みなさん、こんばんは!
10月も気づけば半ば、そして2020年もあともう少しですね。
ドイツやヨーロッパでは、コロナ感染者数が爆発的に増加しており、またロックダウンが発令されそうな気がして心配な毎日です。
さてさて、このブログをみていただいてる方はチューバを演奏なさっている人が多いとは思いますが、作曲家のオスカー・ガイアーをご存知でしょうか?
Concertstück für Tuba in F und Klavierを作曲した人ですと言ってピンと来る人は少ないと思います。
今回は、あまり知られていないこの作曲家について少し書いていきます。
目次
ドレスデン国立歌劇場元ヴィオラ奏者Oskar Geier
◆Oskar Geier (1889-1952)◆
1889年7月3日テューリンゲン州ロースレーベン(ライプツィヒより西にある町)で生まれる。
父親は、裁縫職人として働いており、息子のオスカーは地元の消防音楽隊の職業訓練を受けており、その後音楽的な訓練をゾンダーハウゼンにある音楽院とドレスデン音楽大学にて学んだ。
1913年ドレスデン国立歌劇場のヴィオラ奏者になり(死去した1952年まで所属)、オーケストラ奏者としての仕事傍、作曲者としても活躍。特にコントラバス協奏曲Op.11は彼の作曲したもの中でも有名で、コントラバスのためのコンクールやオーディションでもしばしば演奏される。
作曲者自身ヴィオラ奏者のため、ヴィオラのための曲も多いが、トランペットのための協奏曲やエチュード、テューバのためのコンチェルト・ストュックなども書いている。
1952年10月17日ドレスデンにて死去。
Concertstück für Tuba und Klavier
出版はMusikverlag Barbara Evansなのですが、会社がないため、廃版となっているため入手は現在非常に難しいこの曲。
筆者は、幸い2012年オーストリア・リンツで行われたITEC(国際ユーフォニアム・テューバカンファレンス)にてこの楽譜を購入。
作曲家の同僚で、指揮者カラヤンやクナッパーツブッシュから「Weltmeister der Tuba、世界一のチューバ奏者」と称された伝説的テューバ奏者Heinz Forker(ハインツ・フォルカー)に献呈されたテューバとピアノのためのコンツェルトシュトュック。
楽譜には、1954年の文字が見えますが、作曲者は1952年になくなっているため、この年代が作曲された年ではなく、出版された年もしくは発見された年のどちらかではないかと推測されます。
ラルフヴォーンウィリアムスによって作曲されたテューバの初めての協奏曲が1954年、ヒンデミットによって作曲されたバステューバ・ソナタが1955年、この曲が作曲家が亡くなった1952年以前に書かれたものと考えるとテューバ奏者は知っておいた方が良い曲かもしれません。
他の作品…
・ヴィオラのための組曲第一番Op.15
・ヴィオラとピアノのためのソナタOp.6
・ヴィオラとオーケストラのためのコンチェルト・シュトュック
・ヴィオラ・ダモーレとヴィオラ・ダ・ガンバのための古い様式による小組曲
・ヴィオラ・ダモーレとコントラバスのためのソナタOp.27
・コントラバス協奏曲Op.11
・トランペットのための11のエチュード
・トランペット協奏曲Op.18 (作曲家同僚であり、ドレスデン国立歌劇場ソロトランペット奏者だったEduard Seifertに献呈)
・パッサカリア
などがある。
今回は、とある作曲家Oskar Geierについて書きました。
時代が古く、あまり有名な作曲家ではなかったと思われるので残っている資料は少ないですが、また新たな資料を見つけ次第、編集していきたいと思います。
それでは、Tschüß!!