みなさん、こんばんは!
新しい週が始まりましたね、ベルリンは毎日が日曜日のように静かな日々です。
みなさんは、「オーケストラスタディ」という言葉を聞いたことありますか?
「そんなのチューバやってたら普通だし、オーケストラやるなら知ってて当たり前でしょう」と思う方や「うーん、よくわからない…オーケストラのスタディー…勉強?」と思われるかもしれません。
おすすめチューバソロCDシリーズは明日また記事にしますので、今回は箸休め的な記事「オケスタ!オーケストラスタディってなに? おすすめ本とCDの紹介」をお送りしたいと思います。
目次
オーケストラスタディってなに?
Orchestra Study オーケストラスタディ
普段はみなさん省略して「オケスタ」と言っていますね。
そんなオケスタみなさんはどのようにしていますか?
オーケストラスタディというのは、名前の通りオーケストラのことを勉強するです。
オケスタと聞いて思い浮かべるのは、スコアを買って、パート譜を見ながら、音源を聞いて勉強するということを考えるのではないでしょうか。
正解です。
プロのオーケストラや吹奏楽のオーディション、PMFやSchleswig Holstein Musik Festivalなどの音楽祭・ユースオーケストラのオーディションではソロとこのオケスタが必ず出されます。
やはりオーケストラで吹くにはソロももちろん技術が必要ですが、オケスタの技術もかなり見られます。
ただ、楽譜を読むだけではなく、その曲のスタイル、アーティキュレーションなどの奏法・解釈をプロ・オーケストラ奏者である先生から学びます。
国や地域によっても演奏スタイルはかなり違ってきます。
どうやって勉強すればいいの?
勉強するためにオーケストラのオーディションの課題に出てくる曲を全て印刷してたら膨大な量になりますよね。
例えば、ワーグナーなんかはどうしようもないくらいの量に…
ドイツやヨーロッパでは、プロオーケストラのオーディションにも使われる便利なオケスタ本が存在します。
ドイツの学生は日々その本に向き合って練習しています、オケに受かるために…
本を購入し、楽譜を印刷し、プロ奏者のレッスン受けるのが勉強する上で1番の早道です。
そんな本や参考になるオケスタのCDたちが発売されているので紹介します。
オーケストラスタディの本たち
Orchester Probespiel Peters社
ドイツでは持ってない人はいないほどのオーケストラを勉強するものにとって必需品ペータース社から出版されている「Orchester Probespiel Bass Tuba Kontrabass Tuba」
見た目が金色なのでGoldenes Buch/Gold Book 通称金本と呼ばれているオケスタの本です。
木管用の本は表紙が銀色なので銀本と呼ばれています。
チューバ版を監修したのは、Markus Evans(ベルリン・ドイツ国立歌劇場チューバ奏者)とKlemens Pröpper(ニーダーザクセン州立オーケストラ・ハノーファーチューバ奏者)のお二人です。
50音順に作曲家が並べられており、ドイツのオーディションで出るほぼ主要なレパートリーが載っています。
幻想交響曲、ハンガリー行進曲、プロコフィエフ5番、ブルックナー4・7・8・9番、ワーグナーリング、ヴェルディ・シュトラウスのオペラなど様々なものが一冊にまとまっています。
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ただ、曲数は全てを網羅しているわけではないので、もし、オーディションとかではなく、たくさんのチューバがあるオーケストラ曲を知りたいという方は次に紹介する本がおすすめ!!
Tuba Orchestrastudien band 1-2
こちらは、ライプツィヒにある出版社が出している2冊におよぶチューバのオーケストラスタディのための本「Tuba Orchesterstudien Band 1-2」
先ほどの金本ではなく、こちらはチューバ版銀本。
オーディションに出る部分しかほぼ載っていない金本とは違い、銀本はチューバが出てくる曲・作曲家、そしてチューバのメロディや伴奏部分おの重要箇所が載っており、網羅していない曲はないのではないかと思います。
普段日本では耳にすることない曲も載っていますので、チューバがある曲を知りたいという方にはぴったりだと思います。
2枚組ですので持ち運びは金本の方が優れていますが、持っていて損はないオケスタの本です。
日本の楽器屋さんやささや書店さんでも取り扱っているとは思いますが、ドイツの大手金管楽譜販売をしているMartin Schmidt Blechbläser Notenでも郵送料はかかりますが、注文できます。
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ドイツ語とかだし、日本語で説明とか書かれている本が欲しいと思ったあなたにおすすめな本があります。
もっとテューバ!オーケストラ作品のテューバパート 岩井英二(監修)
国立音大を首席で卒業され、ドイツ・ハンブルグ音大・ワイマール音大にてヴァルターヒルガースさんのもと勉強された岩井英二さん監修のチューバのオーケストラ作品集「もっとテューバ!オーケストラ作品のチューバパート」
金本や銀本に比べれば、オケスタの載ってる数は少ないですが、これぞチューバのオケスタという曲が掲載されており、日本語での解説付きです。
この本には、岩井英二さん本人が演奏し録音されたオケスタの見本CDが付いているので、本とCD両方で勉強ができます。
このかた、ドイツでも勉強されていたのでマイネル197のB管も吹かれています。
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オーケストラスタディのCDたち
Orchestral Excerpts for Tuba GENE POKORNY
Summit社が出しているシカゴ交響楽団チューバ奏者のジーンポコーニーさんによるオケスタCD「Orchestra Excerpts for Tuba」
こちらは、チューバをやってるかたなら必ず知っておいて欲しい、持っていて欲しい、聞いて欲しいCDです。
彼自らによる英語での曲目解説、から彼が演奏する参考演奏という贅沢なCDです。
ヒルスブルナーヨークやF管を使って演奏されているので、ヒルスの音をジーンポコーニーの素晴らしい演奏で聴くことができます。
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Portrait of an Artist Arnold Jacobs
チューバ界、金管界、いや音楽界のレジェンド、シカゴ交響楽団チューバ奏者だったアーノルド・ジェイコブスさんによるCD「Portrait of an Artist」
本来ならおすすめチューバソロCD紹介シリーズの1番目に紹介したかったのですが、オケスタを紹介するときに紹介しようと決めていました。
彼の生声でのレッスンやマスタークラスの様子が収録されていたり、ソロやオケスタ、金管アンサンブルも収録されているという超豪華なCDです。
全て英語ですが、世界中のチューバ奏者が影響を受けたジェイコブスの考えや奏法がわかり、とてもためになる一枚です。
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オケスタを勉強してオケについてさらに詳しくなりましょう
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
オケスタは、ソロ同様、勉強してもしても練習してもしてもキリがないほど奥深いです。
オーケストラで演奏されているかたも普段からこのようなものに取り組むことで普段の練習やオーケストラでとても役に立つと思います。
時間がない人は、1日1曲と決めたり、吹く日はこの1曲などこなしていき、遠くの目で見て練習すると一年でたくさんの曲と知り合うことができますので、ぜひお試しください。
それでは、Tschüß!!